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「減塩」が病気をつくる!(石原結實著)~その3~

<塩のチカラ>

 塩には体を温める力がある。川の水は0℃で凍るのに、海水が凍るのは-2℃。

つまり、塩には「2℃の温める力」があり、体の塩分が不足すると体を温める力が不足して体が冷えやすくなる。

・長崎市に投下された原子爆弾の被爆者のうち、塩辛い味噌汁と玄米の塩むすびを毎日摂った患者は原爆症を患わなかった。この体験記(秋月源一郎著)の英訳本はチェルノブイリ原発事故後たくさんの欧米人に読まれ、ヨーロッパで味噌の消費が10倍になった。

 *玄米に含まれる「フィチン酸」と味噌に含まれる「ジビコリン酸」には放射性物質を体外に排泄する働きがあり、塩には放射性物質を浄化する作用があることがわかった。

 

・先進国のうち、もっとも食塩の摂取量が多い日本人が世界一長寿である。

・漢方医学で「塩は活力の源」とされ、体の塩分が不足すると腎気が衰えた「腎虚」になりやすく、加齢にともなう腰の痛み、下肢のしびれ、むくみ、夜間頻尿、目や耳の機能低下などが現れる。

・大相撲の力士は、立ち合いの前に塩を口にして「気」の力を増幅させる。

 

 

<塩は悪なのか?>

・長年「塩=悪」を唱えていた西洋医学の中でも、「実はそうではなかった」という調査・研究が次々に出るようになった。

・東北地方をはじめ、全国で塩分摂取量を減らして血圧が下がったという事実はなく、むしろ高血圧症患者は増加しているのはなぜ?

 *かつて東北地方の人々の塩分摂取量は、128gで南日本の約2倍であり、これが高血圧や脳卒中の最大要因とされた。しかし、東北地方の人々は暖房設備が不十分だった時代に、寒さをしのぐため本能的に塩を摂って体を温めていたと思われる。いわば生活の知恵だった。

 

・サラリーマン(salaried man)の“sal”は塩を意味する。古代ローマ時代、兵士の給料の一部が塩で支払われたことに由来し、塩100gで家が一軒買えた。

・塩分摂取が不足すると、①新陳代謝の低下、②食欲の低下(消化液の産生不足)、③筋肉のけいれん、④心臓の収縮力低下による脱力感や倦怠感、⑤腎機能の低下(腎臓が塩分を再吸収する働きが増して疲労する)などが起こりやすくなる。

 

 

<体温について>

1957年(昭和32年)の日本人の平均体温は36.9℃だったが、現代日本人は35.836.2℃と1℃近く低下した。

体温が1℃低下すると代謝は12%落ち、糖尿病、高脂血症、肥満になりやすくなる。つまり、メタボリックシンドロームは低体温症候群と言い換えることができる。

・低体温は、がん、リウマチ、うつ、潰瘍性大腸炎などの増加の要因にもなり得る。

 *がん細胞は、35℃前後の低体温で増殖が活発になるという。

 

以上、本から抜粋して紹介しました。

皆さんの塩に対する見方が少し変わるきっかけになればと思います。

 

 

写真は、買ったものをさらに3日間天日干した「梅干し」。よく見ると塩を吹いています。

やっぱり梅干しと言えばコレ。美味い!